苫米地英人 「なぜ、脳は神を創ったのか?」

こんにちは。
山本です。

ちょっと前、山手線の車内広告でよく見かけた本。「胡散臭い」と感じつつも気になっていた方も多いはず。本日の読書考察は知っている人は知っている(笑)ドクター苫米地(トマベチ)の本となります。

なぜ、脳は神を創ったのか?

 なぜ、脳は神を創ったのか?
  苫米地英人 著
  フォレスト出版

といっても、僕は苫米地英人という人を山手線の広告で見るまでは知りませんでした。ということで、早速現代のお役立ちツールWikiを使って調べてみました。

あくまで所感ですが、苫米地英人という人に対して多くの人は「胡散臭い」という印象を受け取ってしまうのかなぁ~と感じました。肩書き一つとっても、機能脳科学者・計算言語学者・計算機科学者・離散数理学者・認知心理学者・分析哲学者・ドクター苫米地ワークス代表・コグニティブリサーチラボCEO・角川春樹事務所顧問・南開大学(中国)客座教授・カーネギーメロン大学コンサルタント・CyLab兼任フェロー、と我々一般人からしてみたら「脳というカテゴリに関して詳しい人」、「なんか肩書きいっぱい持っていて頭はいいんだろうな」ということはぼんやりと感じ取れますが、具体的には何をやっているのかさっぱり理解できません。

ただそれはわかる人にはわかる訳で、わからない人にはわからない人、つまり僕にとって苫米地英人という人は単に僕の理解を超えているだけの人、と言えるかもしれません。そこで、もっと詳細情報を、ということで苫米地英人のオフィシャルHPに飛んでみたら・・・やっぱり僕の理解は超えてましたね(笑)。まっ、彼に対する評価は人それぞれですので、僕が兎や角言う筋合いはありませんし、彼が行っているビジネスに関しても誰も何も言う権利は無いわけです。コアが通じ合えば通じるでしょうし、コアが通じあわなければ「胡散臭い」で終わる、ただそれだけのことですから。でも、「なぜ、脳は神を創ったのか?」を買って・読んで・考察している時点で、僕はドクター苫米地とコアが通じ合っているのかもしれません・・・・(ほんとか?苦笑)。

さて、早速本日の読書考察目次は以下となります。

1.当たり前だけど後世には残らない本

「なぜ、脳は神を創ったのか?」を読んでみると、正直なんだかわからなくなってきます。というのも苫米地さんの勝手な、もっといえば恣意的な要素を感じ取ってしまったからわからなくなる、という感想を抱くのかもしれません。

苫米地さんは本書で、

  • なぜ、人は宗教(信仰)を求めてしまうのか?
  • なぜ、幸せを求める信仰心が人殺しにつながるか?

を解明してくださっているそうです。で、彼なりの見解としては、

  • 神はいなく、脳が勝手に神を創っているだけ
  • 人間は完全情報を求めて信仰心を抱く
  • 世界の秩序は人間の信仰心と宗教が前提

ということをいいたいみたいです。そして、苫米地流の持論(本書でいうと「第5章 神・宗教から自由になる方法」と「おわりに」)を展開しています。

正直僕は宗教というものに対して詳しい知識を持っていませんので、無責任な事をここで書くわけにはいきませんが、とはいえ、本書で苫米地さんが展開している「神はいない。脳が勝手に作っている」という論説が全く腑に落ちないわけです。如何にも脳科学者が自分の土俵に「神」を持ち出して、勝手に「神」を否定しているとしか感じられないんですよね。

そもそも論として、宗教を論じるわりにはスタート地点のベクトルが真逆を向いているような気がします。

一昔前、よくテレビでUFO肯定派と否定派の人達の討論をよくやってましたよね。あれと同じ。最初から「神」否定派である苫米地さんの意見を、だらだらと読まされている印象しか受けません。

以前考察した「お金のシークレット」でも似たような事を書いたかと思いますが、本書も同様で、苫米地持論に展開させるように、ありとあらゆる話を盛り込んで、我々の思考を停止させているとしか思えない内容となっています。また、そのありとあらゆる話も「苫米地さんは頭がいい人」と刷り込ませるような、アカデミックな内容が多いです(まーその内容を理解できない僕が単にバカなだけ、といわれてしまえばそれまでですが・・・)。

そういった何か“権威”的力を利用して、苫米地持論を展開しているだけの本、それが「なぜ、脳は神を創ったのか?」です。

もし、あなたが「なぜ、脳は神を創ったのか?」を読んでいたとしたら、僕が「後世に残らない本」と題したのにも納得いただけると思います。そもそも、もし本書が宗教学・神学の根本に切り込んでいる本だとしたら、読み手にこんなにもストレスを与えないでしょうし、それこそアカデミックな世界ではセンセーショナルな本となっているはずです。
(フォレスト出版ではそれはありえないですけどね)

よって、もし仮にあなたが「なぜ、脳は神を創ったのか?」を読むのであれば、本書から神や宗教を理解できるとは思わずに、単に苫米地さんの新刊(を読んでいるだけ)という心持で読まなくてはいけない本だと僕は思います。

2.脳科学に対して素朴な感想

ちょっと前まで、茂木健一郎さんの本を筆頭に脳関連の本が売れてましたよね。アハ体験とかいう言葉も流行ってましたし、本屋に行けば「脳トレ」だが「脳を活かす○○」とか、テレビも脳関連のクイズ・情報番組が数多く放映されていたと思います。余談ですが、所得無申告が発覚してから茂木さんってどうなったんですかね?テレビとか出てるんですか?本屋では彼の本はぱったりと見なくなりましたけどね(平置きされているという意味で)。

閑話休題。

あなたも、

  • 右脳 = アーティスト的
  • 左脳 = 論理的

みたいな事を聞いたり読んだりしたことが1度はあるかとは思います。

  • 「あー僕は絵が下手だから右脳型じゃないんだ」
  • 「私は作文が苦手だから左脳が発達してないんだ」

なんて事を考えたことも1度や2度はあったと思います。でもこれって実際どうなんでしょうか?

あなたが日々生きている中で、右脳・左脳に関して何か得たものはありますか?もっといえば脳っていう存在自体を意識できますか?

正直僕はできないですね。とは言っても、脳みそを鍛える(=勉強する)ということを否定しているわけではありませんよ。その点に関しては、否定というより勉強は常にすべきですから、それを放棄してしまうという事は人間を放棄することと同義語だと僕は考えているくらいですからね。そんな僕がここであなたに何を伝えたいかというと、

  • 脳科学なんて自分で実感できないものを妄信するのは如何なものか

という事です。今回の「なぜ、脳は神を創ったのか?」もそうです。脳科学者である苫米地さんが脳科学者の視点で神を無きものとしています。それを読んで「なるほど」と思ってはいけないのです。

「ん?」

と少しでも疑問・違和感を持たないと、我々より頭のいい人(今回でいえば苫米地さん)のなすがままに誘導されてしまいます。皮肉にも苫米地さんは本書の「おわりに」で以下のように語っています。

 どのような価値も、絶対のものはありません。
 逆に言えば、あらゆる価値を疑え、です。そして、心の底から湧いてくる自分だけの価値を見いだせ、でしょう。

(P.222 「おわりに」から一部引用)

と。勿論、僕は脳科学自体を否定するつもりは全くありません。ただ、その上っ面の薄い内容だけを伝えて、大衆を手のひらで踊らせ、その現状を見てほくそ笑んでいる連中に踊らされない(=騙されない)事が大切だと僕は考えます。


以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

山本 和広

読書考察

  • 権威性に騙されないこと

コメント

  • 参考にしました。

    「後世には残らない本」ですか。確かにそう思いますね。詳細な文章に感謝します。


  • Re: 参考にしました。

    >>1
    エイジアンジャーナル 書籍解説さん

    コメントありがとうございます。

    このブログを書いて早6年、「後世には残らない本」と題した通り、この本がどんなことを書いていたのか、僕の記憶からはさっぱり忘れ去られておりましたー。

    本屋に行くとドクターTの本を今でも見かけますから、息抜きがてら彼の新書(自身で書いているかはわかりませんが・・・)を読んでみようかなーと思う今日この頃であります。

    ではでは、改めましてコメントありがとうございました。

    山本



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