2014.09.10
カテゴリ：記事
矛盾
「バカって言う奴の方が、バカなんだぞ！」
子供の喧嘩でよく使われるフレーズトップ10には入るかな？
おはようございます。山本です。
僕には2つ違いの姉がいて喧嘩の度に言っていた気がしますが、
言ったそばから
「じゃああんたもバカじゃない！」
と言い返されたのもです。
「うるさい！最初に言った姉ちゃんの方がバカだからな！」
ムキになって言い返す可愛い弟です。
でもこれって永遠に続くメビウスの輪的な感じもするし、
矛・盾の商人が、矛を売る時は
「この矛はとても鋭いので、どんな堅い盾でも突き通す」
と言い、盾を売る時は
「この盾はとても堅いので、どんな鋭い矛でも突き通せない」
と同じような気もするのです。
口でも力でも敵わないか弱い弟は、悔しさと切なさと
心強さはなかったけれど、苛立ちを癇癪に変えて
「姉ちゃんの方がバカだー！」と母親に泣きつくのです。
一番苦しい矛盾
僕らは幼い頃からいくつもの矛盾を経験します。
「アリさんも一生懸命生きてるんだから
踏みつぶしちゃダメだよ」と言いつつ、
家に出たゴキブリは平気で叩き潰す。
「好き嫌いしないで野菜を食べなさい」と
言いつつ、大人は自分の嫌いな物を食卓には
出さない。
正に、「大人ってずるい！」そのままです。
でも、大人の社会だってそうですよね。
「仕事は自分で考えろ」と言っている本人が
一番考えていなかったり、
「お客の気持ちを考えろ」と言いつつ、期末には
「在庫を持たせろ」と怒鳴りつけたり、
「景気のせいにするな」と言いつつ、役員報告の
一行目が「景気低迷が・・・」から始まったりと、
理不尽とも矛盾とも言える世界が広がっています。
ただ、これらに関してはそんなに大したことない。
たばこを吸いながら愚痴を言ったり、家には帰らず
無駄に会社に残り残業を気取って愚痴を言ったり、
居酒屋でアジのなめろうとハイボール片手に愚痴を
言ったりすれば解消する話だから。
そんな中、解消が難しい矛盾が一つだけあります。
それが・・・
- 自己内矛盾
です。
簡単に言えば、「自分の中の天使と悪魔」って感じかな？
あなたが必ず欲するもの。それは・・・
「幸福」です。
お金が欲しい、彼女・彼氏が欲しい、家族が欲しい、
綺麗になりたい、健康になりたい、世界を旅したい、
美味しいものが食べたい、英語が話したい・・・
人が違えば欲するものは違います。
欲するものは違いますが、一言で言えば「幸福になりたい」
ではないでしょうか。
猫とかカラスとかおけらとかは知りませんよ。
でも理性がある僕らにとって「幸福」を求めることは
当たり前のことです。
そうですよね？
じゃあその幸せを手に入れたいのだけど、
今は幸せじゃないとする。
そんな時大抵は、
「今、私が幸せじゃないのは、会社が忙しいから」
とか他のせいにする。
家族でも恋人でも社会でも国でも、
何でもいいですけど他のせいにする。
で、実際に行動に移してみる。
会社を辞める、離婚する、別れる、海外に移住する。
そんでもってその先にはバラ色の幸せが
待ち構えていると夢想するけれど、、、
「変だなー、おかしいなー」
と、稲川淳二並みにつぶやいてしまうのです。
個人の幸福を追い求めた結果
「幸福は手に入らない」という絶望を味わうことになる。
時間に追われ、お金に追われ、人間関係に追われ、
そんな生活に辟易し、そこに幸せはないと
抜け出したはいいが、抜け出した先にも幸せを
感じることはできない。
じゃあ僕らが目指す「幸福」はどこにあるのか？
そもそも「幸福」なんてないのか？
この矛盾に僕らは一番苦しめられるのです。
可能性に溢れているはずの世界が、
絶望の世界にしか感じられないから。
宿命と運命
以前、とある算命学の先生とお会いした際、
その先生がこんなことを仰っていました。
「私たちは宿命によって全て決められている。」
当時、この言葉を聞いた時、僕は反感を覚えました。
「全て決まっているって、それじゃ今やっていることが
意味ないってことなの？」と。
そしたらその先生は、
「宿命は動かないものですが、運命は、その名の通り
“運ぶ命”。動くものです。」
とも仰られました。
「運命は自分で切り開くもの」僕はそう受け取りましたが、
でもどこか釈然としない感はあったのですが、喉元すぎれば
なんちゃらでよく考えませんでした。
でも今回、自己内矛盾を考えるにあたって、なんとなくですが
「宿命と運命」にも折り合いがついた感があります。
きっと、幸福はないのではなく、指向する幸福が
間違っているだけで、宿命と運命も相反するものではなく、
表裏一体なんだと。
これを頭だけで理解するのではなく、腹の底に落とせた時、
きっと僕らを苦しめる矛盾が霧消するのだと思います。
「お前の生きる道は
これまでも
これから先も
天によって完ぺきに
決まっていて
それが故に
完全に自由だ」
（沢庵宗彭 from バガボンド）
ここまでありがとうございました。
また明日。
山本