富士登山(御殿場ルート)で経験した限界の一歩手前_Vol.5
こんにちは。
山本です。
さて、長きに渡り綴ってきたこの富士登山編もいよいよエピローグです。
ここまでお付き合い頂きましてありがとうございます。
前回、限界の一歩手前までを経験し一回り大きくなった(気がする)僕の富士下山編。
早速いってみましょー。
背中で見る御来光
無事、御来光(?)も見れた僕とO君。
寒さから意識も朦朧としていたので、正直御来光なんてどうでもよかったのですが(笑)、『頂上富士館』に向かう途中に僕らの目の前にはこんな景色が。
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これには、荒んだ心も少し潤いました。
ありがとう、太陽。
そうつぶやきながら、無事『頂上富士館』にたどり着きました。
(たどり着きましたっていっても5分くらいですけどね)
「山をなめている」も度を超えると「凄さ」に変わる
僕らが『頂上富士館』に着くと、ちょうど開店したばっかりみたいで店内は人、人、人、でごった返していました。
満員電車に乗ると過呼吸になる僕でも、このときばかりは人の暖かさが身にしみました(暖房の暖かさだとは思いますけど。笑)。
日本一高いといわれるカップラーメンを買い求める登山客の姿に、人間の欲望や価値観、そして怖さを少しだけ感じつつ、トイレに行ったO君と御来光を納得いくまで見続けたT君を待つこと数分。人だらけの中無事合流。
さすがにカップラーメンは食べたくなかったので、七合九勺(標高3290m)にある『赤石八合館』で食事をしようと下山するに至りました。
(下山前に記念写真)
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いざ下山すると登りのときには見ることができなかった素晴らしい景色が。
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僕は今回、富士山を登ることだけが目的でしたが、こういった景色を目的にするのもいいかもしれませんね。その場合はやっぱり山小屋での素泊まりを予定に入れて、登りも下りも景色を楽しむのがいいのかなと。
ただね、そんなことを考えながら下山している僕にぶっ飛んだ衝撃映像を見せつけ驚かせたのが、やっぱりあいつらですよ。
15歳のおバカな2人。
「なぜ驚いたかって?」
だってあいつら、ポケットに手を突っ込んだまま下山していたのですから。
いやはや。。。
写真でも結構な岩が確認できると思いますが、実際はもっとでかい岩がゴロゴロしていたわけです。僕はストックで慎重に足場を確認しながら下っているのに、あいつらはしゃべりながら、ポケットに手を突っ込んだまま下っている。
「スマホいじりながら」などの「〜ながら」を僕は不快に思うけど、こいつらの「ポケットに手を突っ込みながらの富士下山」には不快などという感情はいっさい芽生えず。
もう僕は、単純に「こいつらすげーな」と思ったわけですよ。
身体能力云々の前に、どんな環境でも自然体を崩さない。
「(ポケットに手を突っ込んで歩くの)クセなんですよー」だって。
楽しい奴らです(笑)。
「若いなあ」って言いたくないけど・・・
そんなこんなで、ポケットに手を突っ込みながら無事『赤石八合館』到着です。
「なんでも好きなもん食っていいよー」と言ったのですが、こんな値段ですから、おバカなくせしてちょっと気を使っている(笑)。そんなところはかわいい15歳。
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僕がカレーを注文すると、「じゃ僕も。じゃ俺も」と、三人仲良くカレーを注文したのであります。
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(食べかけですみません。苦笑)
で、ここで面白かったのが「ルーもご飯も福神漬けもおかわり自由だから」と言われたこと。思わず聞き返しちゃいましたからね。「全部ですか?」って。
そして、「全部だよー」との店員さんの回答に、O君は「俺、少食だから、そんなに食えないです」・・・と言っていたくせに、O君、T君仲良く3杯おかわりしてました(笑)。
思わず、「若いなあ」って言ってしまいましたよ(笑)。
食後に山小屋なのにサーファーみたいな容姿の店員さんにお願いして、再度3人で記念撮影。
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気づけば寒さは気にならず、むしろ暑いくらいに。
じゃーこのまま一気に行きますか、と赤石八合館を後にしたのでありました。
雲の上で食べたカレー。美味しかったです。ごちそうさまでした!
15歳の名言「僕らは動き続けるしかないんです」
さてさて、平均でも下山は4時間くらいで下ってしまう御殿場ルートの醍醐味と言えば「大砂走り」です。
『カリオストロの城』でルパンがクラリスを助けるために、城屋根を駆け下りジャンプするシーンがあったかとと思いますが、その時のルパンの前傾姿勢。そんな感じで下るのが大砂走り。
(当たり前ですけど、ルパンを真似し前傾姿勢になると・・・素っ転びます。笑)
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「1歩が3歩に感じられる」とはどんなものかと密かに楽しみにしていたのですが、O君もT君も同様だったみたいです。
「動画撮りながら走ろうよ。そして皆に送りつけてやろうぜっ!」
ってキャッキャ言ってましたから(笑)。
ちなみに大砂走りはこんな山道を駆け下ります。
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結局、「いま思いっきり走ったら、食べたカレーが出てきそう」と、彼らの限界よろしく大砂走りは見れなかったけど、3人で一緒に駆け下りたりとキャッキャ言いながら楽しく下山しました。
彼らは普通のスニーカーで下山していたので、靴に砂が入り、まともに走れなかったみたいですけどね。
「(砂が入って)痛い!痛い!」って言ってましたし、O君は下るときの負荷がもろに足裏にあったらしく、靴下に穴あけてましたから(笑)。最後まで楽しい奴らです。
靴下に穴があいて少し凹むO君
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靴に入った砂をとるT君
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そんな中、3人で談笑していると、ふとT君がこんなことを。
「僕らは動き続けるしかないんです。」
別にこの言葉に深い意味があったわけではありません。彼らはチャリで旅をしてますから、動き続けなきゃ(漕ぎ続けなきゃ)目的地にも、もちろん、家にも帰れないわけです。
そんな文脈で語られた単なる日常会話の一言でしたが、、、僕はその何気ない一言に心が惹かれた。
短い間だったけど彼らと一緒に行動して感じていたこと、それは、
好きなことを全力で楽しんでる感
親友と楽しみながら、大好きなチャリで旅をする。チャリがあればどこへでも行けると本気で思っている。
夏休みと言わず普段から、チャリで高尾山にサンダルで向かい登ったり、やることがないからとチャリでお台場まで遊びに行くなど、常に動き続けている。
そんな「楽しさ」を彼らから感じていた。
「あーこいつらはずーっと動き続けてるから、楽しめてるんだ・・・」と、何気ないT君の一言から学ばせてもらったわけです。
O君は「俺バカだから大学とか行けないと思うんで、3年後には就職ですよ」と発言し、それを聞いて僕はついつい、「就職する、しないはそのとき考えればいいけど、その"おバカな行動”だけは一生続けなよ」と言ってしまった。
なんか年上が偉そうに語るみたいで嫌だったけど、それは普通に出てしまった言葉。
だってこんな「バカを全力で楽しむ」大人ってそうそういない。
いないからこそ、バカはこれからもっと必要とされる。
だって、そんなバカと一緒にいると単純に楽しいじゃない?
今回の僕がそうであったように。
そして、楽しいから一生懸命になれる。
こんな好循環はバカから生まれると思うのです。
年齢こそ倍以上離れていますが、僕はO君とT君から学ばせてもらうことがほんと多かった。
半年前の僕では出会えなかったであろうこんなおバカな2人と同じ時間を共有し、遊び、そして、学ばせてもらったことに感謝です。
ありがとう、O君、T君。そして、富士山。
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エピローグ 〜富士登山で学んだ3つのこと〜
さて最後に、僕が今回の富士登山で学んだことをお伝えして、5回に渡りお届けした富士登山編を終了したいと思います。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!
【富士登山で学んだ3つのこと】
- その一 「防寒対策だけは忘れるな!」
- その二 「限界を目指し続ける姿勢は次に繋がる」
- その三 「バカは動き続けないとできない」
おまけ
無事に下山した僕らは、(たぶんお盆期間中だけ特別設置されていた)足湯で疲れた身体を癒し、僕はそのまま御殿場温泉へ、O君、T君は西沢渓谷に向かいました。
(風呂にも入ってないだろうから、彼らを御殿場温泉に誘い最初は一緒に行く予定でした。でも、御殿場温泉に行ってしまうと西沢渓谷まで難所の坂を再度登らなくてはいけないということが判明し、それじゃーしょうがないよね、と)
僕は富士急行バスでJR御殿場駅まで行き、そのままタクシーで御殿場温泉へ。小一時間ほどゆっくり湯につかり、そばを食べ
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男一人の富士登山を静かに終了したのでありました。
ちなみにやまどうぐレンタル屋でレンタルした富士山まるごと5点セットは、コンビニから着払いで返却完了です。
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ほんと便利な世の中だよなあー。「やっほー」って(笑)。
【富士登山 Index】