ケアワーカー・ビルダーと目標
こんにちは。
山本です。
月並みのご挨拶とはなりますが、2013年もよろしくお願い致します。
さて2013年早々に素晴らしい笑顔と、素晴らしい言葉に出会いましたのでシェアさせていただければと。
昨日いつもどおりジムに行ったんですが、肉団子みたいな大柄の男性がワンハンドダンベルローイングに勤しんでいる最中のことです。知人らしき男性からの、
「鍛えすぎでしょ?!(笑)これ以上どこ鍛えるのよ?」
という問いに
「精神を鍛えてるんです。」
と回答。感銘を受けましたね(笑)。
それは知人との何気ない冗談だったのかもしれませんが、
「見てよー上腕二頭筋と腕橈(わんとう)骨筋が太すぎて、腕がここまでしか曲がらないんだよね~」
とか
「食事は1日5回が基本だよね」
とかを笑顔で言える背景がここにあったんだと気付く事ができました(笑)。
ここ日本ではある閾値を越えた筋肉の持ち主に対して白い目が向けられますが、そんな目を気にしていたらあの笑顔はできないでしょうし、もし仮に身体だけ鍛えるという視点しかなかったら、決して彼のような超人間的な身体には到達できない、つまりそれは、彼は身体と心を両輪として捉えているということなのです。
- 彼はトレーニング中、彼の人生を生きている。
だから笑顔が素敵なんだなと。
ちなみにそんな彼は「介護福祉士」です。昔シュワちゃんの映画で『キンダガートン・コップ』ってのがありましたが、これに近しいかもしれませんね。ナイスギャップ!(笑)
ではそんなケアワーカー・ビルダーに出会えた2013年最初の内容は「目標」に関してです。
先行してメルマガで配信した内容にはなるんですが、目標設定に於いて結構重要な概念を説明しておりますので、あなたのお役に立てればと。
ではいってみましょう。
1.結果とプロセス(過程)
僕もご多分に漏れず数多くの目標を未達成のまま今日に至っております(笑)。
毎回目標を立てた時は「今回は必ず実施する!」と心に決めるのですが・・・(苦笑)。
最近の僕の失敗例としては、
- 1ヶ月で5000語の英単語を覚える。
ですかね。
以前記事でも書きましたが英単語学習には短期間の詰め込みが必要なのですが、1500語あたりでモチベーションが途絶えてしまいました。
その他よくある一般例としてはダイエットですかね。
- 週1回のランニングで、-5kg
的な感じのやつです。
ダイエット関連の失敗例の多さはあなたも知るところでしょう。関連書籍がこれでもかってくらい発刊され続けている現状を見ても、「ダイエットが続かない」という失敗が多くあるという裏づけですからね。
ではなぜ僕らは自らが立てた目標を達成できないのでしょうか?
先に結論からお伝えします。
それは、
- 結果を目標としてしまうから
です。
ダイエットの例で言えば、
体重-5kgという「結果」を目標としてしまった。
ということです。
僕ら人間がここまで進化できたのは、「予測する能力」があったからという学説がありますが、目標設定はこの予測が足枷になることが多々あります。
つまり、その目標を実現できた未来を想像して、その結果で目標を決定してしまうのです。
- -5kgでスリムな自分
こういった結果を基準に目標を設定してしまうと「プロセス(過程)」を見落としてしまいます。
「プロセス」があって「結果」に到達できるのですから、プロセスを軽視することは本来目標を立てる意味すらなくなるのですが、目標を立てる時ってプロセスが見えないんですよね(モチベーションMAX状態ですからね 笑)。
では、プロセスを目標にするとはどういうことでしょうか。
再度ダイエットの例ですが、
「週1回のランニングで、-5kg」だったら、目標は「週1回のランニング」です。
- -5kgなんていう結果はどうだってよいのです。
このプロセスを目標にすることで今まで見えなかった(気づけなかった)視点を発見することができます。
それは
- そもそも週1回のランニングができるのか?
という視点です。
体重-5kgを目標にしてしまった場合、その目標は高い確率で失敗に終わるのですが、それはランニングが続かないから失敗するわけですよね。
じゃそのランニングが続かない理由はなんなのか?ということです。
「外が寒いから」という理由で続かないのであれば、ジムに通えばよいだけですし、そもそも「走るのが嫌い」という理由であれば、筋トレだってよいわけです。
つまり、目標を「プロセス」に設定することにより、目標が続かない場合の対処法にも気づけるのです。
では「5000単語覚える」に失敗した僕の事例はどうしたらよかったのでしょうか。
一見、5000単語を覚えるという行為はプロセスのような気がしますよね?
確かにプロセスではあるのですが、プロセスのアップデートという視点が僕に欠けていたのが失敗の理由です。
2.プロセスのアップデート
1項でランニングが嫌なら筋トレでもいいじゃない、とお伝えしましたが、プロセスのアップデートとはまさにそれです。
僕は英単語をノートに書き写し暗記していたのですが、その方法をアップデートするべきだったのです。
AからZまで単語が並んだ英単語帳の暗記は僕ではコミットできなかった。
だったらペーパーバックなどを買い、その中でわからない単語を全て書き写してそこから英単語を覚えるというアップデートを実施するべきだったのです。
(あくまでアップデートの一例です)
単語を覚えるなんて、要は覚えられれば方法はなんだってよいわけです。だけど僕は英単語帳に固執してしまった。
これが1500語で挫折した理由だと今は考えます。
もう一つ僕の失敗事例を。
僕は小学2年から中学3年までの8年間柔道をやっていました。
週に4回、夏季・冬季稽古を合わせれば、年間250日くらいは柔道場に通っていたでしょう。
まー小学生の習い事ですから、目標だプロセスだなんてことは勿論考えていませんが、僕が柔道を辞めてしまった理由を今振り返って考えてみると、今回の内容を理解するのに役立ちます。
僕の柔道選手時代を2つに分け、その時代を振り返った場合
【小学生時代】
目標:柔道をすること
【中学生時代】
目標:試合に勝つこと(≒試合に負けないこと)
こんな感じですかね。
小学生の頃は「柔道をすること」が楽しくてしかたなく、今考えると「小学生にここまでやらせるか?」的な稽古も多々ありましたが、決して嫌とかいう思いもなく、友達と遊ぶ感覚で柔道に取り組んでいました。
その結果、メダルとか楯とか表彰状とか捨ててしまったので、どの大会で優勝したとかははっきり覚えていませんが、武道館で試合をできるくらいの小学生でした。
僕を知っている人はびっくりされるかもしれませんね。
だって僕は柔道をやるには小柄すぎますから。まさに小学生時代の僕は「柔よく剛を制す」を体現していたのです。
ただ中学になるにつれ我々には成長期が訪れます。
中学では体重別という制度はありません。40kgと70kgが同じ畳の上で試合をする。
「体格差」それが僕にとっての壁でした。
練習量ではどうしようもできない壁が僕の目標を「柔道をすること」から「試合に勝つこと(≒試合に負けないこと)」に替わってしまったのです。
こうなると、あれほど楽しかった柔道が嫌で仕方なくなってきます。
目標が「勝つこと(≒負けないこと)」になってしまっているので、プロセスである「柔道をする」に関して意識が及ばなくなっていきます。
テクニックばかり磨こうとし始めます。基礎練を疎かにし始めます。
当然「柔道をする」をないがしろにした結果、試合は負けないにしろ引き分けだらけ(もちろん負ける機会も多くなりました)。辛うじて勝てたとしても充実感を感じられるような勝ち方ではない。
そして、あれほど好きだった柔道を嫌いになって辞めてしまうという結果につながってしまいました。
今考えても残念な結果ではありますが、ではなぜ僕はプロセスをアップデートできなかったのか?
それは中学時代の目標が結果(試合に勝つこと≒試合に負けないこと)に替わっていることに気づけなかったからだと思います。
中学時代の目標も変わらず「柔道をする」であれば、試合結果なんてどうでもよかったはずです。
勝っても負けても柔道をするわけですから。
これは目標を立てる場合にきわめて重要な視点です。
別の言い方をすれば、
- 結果が目標に影響を与えないということです。
そして、もっと突っ込むと、
- 目標がプロセスであれば、アップデートが可能
それは、
- 目標が常に更新~目標を常に継続
につながります。
目標をプロセスとしているので継続するのは当たり前ですよね。
因みに世にいう「継続は力なり」を実感できる一つのキーポイントがこのプロセスを目標とすることだと僕は考えています。
この視点があるかないかによって目標の質自体が変わってきますので、あなたが何かしらの目標を設定する場合の参考になれば幸いです。
では最後に僕からあなたへ新年のメッセージを。
- 僕ら人間はプロセス(過程)が全て。結果なんてどうだってよい。
それでは、ここまで読んで頂きありがとうございました!
また次回もよろしくお願い致します。
2013年1月3日
山本 和広
追伸
冒頭ご紹介したケアワーカー・ビルダーの彼は何を目標としているのでしょうかね?
他人の目標を想像し、それを自分と重ね合わせ、自分に足りない要素などを考えてみるのも思考の訓練になると思います(あの人ならどうするかな?的な感じで)。子供の頃よくやった「○○ごっこ遊び」みたいな感覚でやってみてください。結構面白いですよ。