ONE PIECEと僕ら現代人

こんにちは。
山本です。

尖閣諸島、北方領土と、ここ最近日本の外交は慌しく、また北朝鮮による韓国ヨンピョン島への砲撃と、世界情勢も不穏な動きをしております。僕らに届けられる情報は果たしで実際にあった事実なのでしょうか。はたまた事実を覆い隠すような脚色をされたものなのでしょうか。僕らは起こった事実を自らで咀嚼して、自らの目で世の中を見る訓練、努力が必要だと、こんな時代だからこそ本気で思います。実際に起きた事実だけを抽出し、そこから仮説をたて地道に調べていく。反証がでたらまた新しい仮説を立て検証していく。この作業の繰り返しで今僕らの目の前に起こっているほんとうの事実に少しでも近づけられたらと思う今日この頃であります。

それでは、本日の読書考察対象は以下作品です。

ONE PIECE

ONE PIECE
尾田 栄一郎
集英社

言わずと知れた今の時代を代表する少年漫画。こち亀、ドラゴンボール、ジョジョの奇妙な冒険、SLAM DUNK、北斗の拳、キャプテン翼etcとジャンプの伝説的な作品がかすんでみえるくらいの快進撃を記録している漫画、それがONE PIECEです。最新刊が初版340万部、累計で2億部ですよ。この数字だけみてもとてつもない漫画であることがわかります。結構な有名人がメディアでONE PIECEを薦めているみたいですからね。それも1人ではなく何人も。芸能的権威は今の時代大きな影響力を持ちますから、その影響力はすごいと思います。といってもやっぱり作品に魅力がなければ影響力もクチコミも広がらないわけで。人によっては章毎で好き嫌いはあるかもしれませんが、連載13年間一定以上のクオリティをずっーと保ち続けているのを単純にすごいと思うのと同時に、これだけ支持される土台を創作できる作者 尾田栄一郎氏の思考の深さ・幅に興味を持ってしまいます。

それでは、そんなONE PIECEの僕なりの読書考察は以下からです。

1.僕ら現代人の特徴

「現代人」

要するに「今」を生きている人のこと。ということは僕らは現代人なわけです。こうして原稿を書いている「今」の僕は現代人で、この記事を読んでくれている「今」のあなたも現代人ということです。

でも、「現代」って定義を考えると不思議になります。だって、「現代」ってさかのぼってどこまでが現代なんでしょうかね。「今」を生きている僕らにとっては「今」が「現代」というのは当たり前の感覚ですが、時代区分っていうのは、後に歴史を分かり易く区切る為だけに、現代やら近代やら近世やら中世やら古代やと、名前をつけているだけですからね。ということは僕らが生きている現代も、いつの日かは「××」とか言われ、過去の人となるわけですね。まーそう考えると、よく時代のせいにしていいわけばっかする人が多いけど、どの時代に生きていようが、生きている人によっては「今」が重要なわけですから、一生懸命生きるというのは僕らの使命だと思います。まっそんなこと気にして生きている人はいないでしょうけど(笑)。

で。

僕の独断と偏見によって、今を生きている現代人の特徴を考えてみました。「自分のことを考えればいいだけだから簡単だろ」って思ってましたが、結構でてこないものですね。まだまだ全方位からの視点がたりないということを改めて認識したと同時に、もっともっと思考する努力をしなくてはいけないと気づかせてくれたわけです。そんな気づき中、僕の私見ではありますが現代人の特徴は以下だと考えました。

  • 絶対的な目標がない(見つけにくい)
  • 排他的思考
  • 大衆化

【絶対的な目標がない(見つけにくい)】

「絶対的」とあえてつけさせてもらいましたが、簡易的な目標は誰しもあると思うからです。「今年中に-5kg」とか「毎月貯金○○円」とか、そういった類の目標です。ただ僕がここで言いたいのは、

人生を賭して達成したい絶対的な目標

ということです。ジョン・レノンであれば歌を通じて世界平和を実現。志村けんであれば、笑いを通じて人々を楽しませる。レストランオーナーであれば、食事を通じてお客様を幸福に、といった理念というか信念というやつですが、こういったものが現代人は希薄なのかなと。

このように僕が考える根拠ですが、僕自身に昔そういった時期があったように、また僕の周囲の人を今思い返してみても、確固たる目標を持っている人はごくわずかで、その他多くは毎日をだらだらと生きているだけって印象が強かったからです。

また、社会問題でも取り合えげられているニートなんかを思い出していただければ、納得いただけるのではないでしょうか。何にもやりたいことがない、やるべきことが見つからない、めんどくさい、これら全ては目標がない、あるいは目標が見つけにくい世の中というものが一つの要因なのではないでしょうか(もちろん100%時代のせいにしてはいけませんが)。余談ですが、今は就職氷河期と言われて学生の就職先がないとのことですが、表面的には企業の採用枠の減少というものはあるかと思いますが、その根本は「目標の喪失」が起因していると僕は考えています。

【排他的思考】

読んで字の如く、自分以外の人を排斥する思考のことです。自分以外に興味がわかない状態とでもいいましょうかね。身近な例で言えば、「話を聞かない人」と認識していただいてもよろしいかと思います。どんなにコミュニケーションが優れていても(優れていると思われているだけですが)、人の話を聞かない人って、あなたの周りでも1人2人は必ずいるはずです。

「話を聞かない」を別の視点から見ると、「ナルシスト」と換言できると僕は考えています。それは、話を聞かない人の多くは、「あなたの話はいいから、私の話を聞いてよ」って傾向が強いからです。どうです?あなたの周りにもいるでしょ?こういう人。ではなぜこういった傾向が強い人が現代の特徴として現れるのでしょうか。それは今の時代を仔細にみれば明らかです。というのも、残酷な言い方にはなりますが、僕らは「機能として扱われる時代」に生まれたといっても過言ではありません。人としての価値ではなく、あなたが「何を利益としてもたらすか」だけを求める社会が今の日本といっても大袈裟ではないと僕は考えています。僕らはそういった社会で生きているわけですから、排他的思考傾向が強くなってしまうのは致し方ないと思います。

【大衆化】

人と同じが安心

って思っている状態のことです。これも至極一般的な考え方ではないでしょうか。子供の頃から人と違ったことをすると、直ぐに是正され、隊列に組み直される学校教育を受け、そのまま大人になって社会にでていく人がほとんどだからです。

群れる

とも表現されてしまうこの現象。自分と違った価値観・思考・理念を持っている人を異質とみなし、自分たちのコミュニティに危険が及ぶと察するや否や、全力で排除しようとするのも、この大衆化の特徴であります。あなたの周りを思い出してみてください。納得いただけるはずです。

以上3つが現代人の特徴です(あくまで私見ですが)。ちょっと、ネガティブな3項目となってしまいましたが、どうでしょうか。100%賛同は得られなくても、100%反対もないと個人的には思いますが、あなたはどう考えますか?

2.ONE PIECEに共感する真の理由

さぁここでようやくONE PIECEです(笑)。ONE PIECEがここまで熱烈な支持を得る背景には、単に「面白い」だけでは済まされない、何か他の理由があるはずです。ではONE PIECEにはまる人たちの深層を考察してみましょう。

先ほど1項目で列記した現代人の3つの特徴ですが、どれもこれもマイナスなイメージを持つ表現だったと思います(だけど仕方ない。これが僕らの特徴なのだから)。そんな時代に圧倒的に支持を集めるもの、それは、

こうあるべき

って思想です。具体的には何も説明はできないんだけど、いまの自分、今いる環境は私が望んでいる環境ではない、って漠然と思っている思想です。そんな「こうあるべき」って現代人が持っている感情にストレートに突き刺さってくるのが、そうONE PIECEというわけで、もっと別の言い方をすれば

僕ら現代人があこがれる生き方が詰まっているのがONE PIECE

ということです。では、実際に先ほどの3つの特徴と比較してみましょう。


【人生を賭した目標がある】⇔【絶対的な目標がない(見つけにくい)】

ONE PIECEの登場人物には、確固たる目標(夢)が描かれています。その夢の為には命をも賭ける。あわせて、仲間の夢のためなら命を賭けれる。それがONE PIECEの特異なキャラクターとあいまって見る人を引き付けます。ONE PIECEの登場人物でいえば、

  • モンキー・D・ルフィ : 海賊王
  • ロロノア・ゾロ : 世界一の剣豪
  • ナミ : 世界地図を描く
  • ウソップ : 父(ヤソップ)のような勇敢なる海の戦士
  • サンジ : 伝説の海「オールブルー」を探す
  • トニートニー・チョッパー : 何でも治せる医者
  • ニコ・ロビン : 歴史上の「空白の百年」の謎を解き明かす
  • フランキー : 自分の作った船に乗り、その船が海の果てに辿着くのを見届けること
  • ブルック : 50年前にリヴァース・マウンテンで別れた鯨のラブーンとの再会

という夢が描かれています。夢が見つけにくい世の中に生まれ育った現代人には漫画の世界とはいえ、ONE PIECEの登場人物がまぶしく映るのも頷けます。

【仲間の為に命を賭ける】⇔【排他的思考】

先も書きましたが、ONE PIECEの登場人物は仲間の為に命を賭けます。「所詮漫画の世界だから」と片付けてはいけません。排他的思考が根付いている現代人はやっぱりどこかでこういった仲間意識を求めているのです。僕はONE PIECEが流行っていることでうれしい理由の1つに、こんな排他的思考が充満している世の中でも、現代人が真の仲間というものに憧れを持っている、という事を少し感じ取れるからです。

【本当の仲間】⇔【大衆化】

不安から群れ集まるのが大衆です。ONE PIECEはそういった面(大衆化)からも対極にあります。ルフィという船長(リーダー)の元で大衆と同じ集団という体をなしてはいますが、その本質は大衆とは180度違います。内的性質が大衆とは全く異なりますからね。例えていうなら、一人一人が自立しているのがONE PIECE。他に依存するのが大衆って感じですかね。

以上3つのカテゴリーからの比較でもわかるとおり、ONE PIECE には僕ら現代人が「こうあるべき」と深層で考える、そして憧れる要素が全て詰まっているのです。だからこそ、これだけの熱狂が生まれるわけです。

3.ONE PIECEから僕らが学ぶこと

では、僕らはONE PIECEから一体何を学び得ましょうか?もちろん先ほどあげた3つの要素を生かして

  • 自分の絶対的目標を見つける
  • 他人に興味を持つ(利他主義)
  • 他と一緒でなくても不安を感じない(自立の精神)

を目指すことを学んでも良いと思います。でも僕はあえて上記3つの要素ではなく、ONE PIECEに憧れる「こうあるべき」という現代人の心理について考察し、学びを生み出そうと思います(もちろん3つの要素を包括してですが)。

「こうあるべき」って事は現状の自分に満足していない状態ですよね。そんな状態だからって、いきなり学校を辞めて海外に留学したり、仕事を辞めて放浪の旅に出ても、「こうあるべき自分」は見つかりません。やっぱり「こうあるべき」を考えるには、今という自分の立ち位置を確認しなくてははじまらないと思うからです。つまり、

現在のこの世界の中に自己を見出すこと

がONE PIECEから今僕らが学ぶ1番大切な、そして大事なことなんではないでしょうか。あまりにも無目標で、あまりにも排他的で、あまりにも無知蒙昧な態度だったら、あなたの望む生き方は絶対に手に入りません。「ONE PIECE面白いなー」で済ませないで、今という時代を感じ、今の自分の状況を知ることで、また違う世界が見えてきます。そしてそれが自己を成長させる大切な1歩だと僕は信じております。

本を読むのはめんどくさい、でも漫画は読むという人は多いと思います。漫画からも人生に生かせる学びは十分に得られます。ONE PIECEを通じてあなたと一緒に成長できたらと思う今日この頃。日々視界を広く見ることを忘れずに、僕らの周りの景色を観察していきましょー。

以上、ONE PIECEの読書考察でした。
ここまで読んでいただきありがとうございました!

2010年12月9日
山本 和広

読書考察

  • 現在のこの世界の中に自己を見出すこと

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